REVIEW
2018.10.12
コラテラル
(2004年)
Introduction
ロサンゼルス。リムジンによる送迎会社設立を夢見るタクシードライバーのマックス(ジェイミー・フォックス)。
ひとりめの客は検察官のアニー(ジェイダ・ピンケット・スミス)。目的のビルへ向かう道すがら、マックスは自分の夢をアニーに語り、そんなマックスに好感を持ったアニーは、マックスに名刺を渡す。
次の客は、今着いたばかりのビルから出てきたリッチそうな男性。会話からマックスがロスの道に詳しいことを知った、ヴィンセント(トム・クルーズ)と名乗るその男性は、一晩マックスのタクシーを貸切たいという。一度は断ったマックスだったが、高額な報酬を提示され、引き受ける…。
最初の目的地で待っていたマックスのタクシーの上に男が落ちてくる。ヴィンセントは自分が殺し屋であることを打ち明け、後4人殺す予定だという…。
Review
ネタバレ注意!ほぼカッコいい良い人を演じきたトム・クルーズが殺し屋という悪役に挑んだめずらしい作品。
ただの悪役ではなく、その立ち居振る舞いと、言葉少なに語られる過去や現在の心境が魅力的な男。ヴィンセント。
この作品が出世作となり、ヴィンセントと対峙するマックスを演じる、ジェイミー・フォックス。この作品まで目立たなかったのが不思議なくらい素晴らしい演技です。
正反対の世界に住む二人の男が偶然に出逢い、異常な状況で奇妙に心を通わせる。
完全に巻き込まれる形で、ヴィンセントに出会ったマックス。奇しくも、この出逢いでひと皮むけ、強くなるマックス。
言葉にはしないが、お互いに違う形で出逢いたかったと思っているであろう、ラストがせつない…。